年頭所感

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

まず、この度の新型コロナウイルス感染症により、お亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、感染された方々、影響を受けられた皆様には心よりお見舞いを申し上げます。

また、感染拡大防止及び治療に尽力されている医療従事者の皆様に心より敬意と感謝を申し上げます。

今、コロナ禍の影響で、多くの企業が苦境に立たされています。驚かされたのは、1902年創業の老舗企業である「レナウン」の民事再生であろう!上場しているアパレル企業のうち、直近の決算では、赤字に転落している。同様に百貨店業界も苦戦を強いられている。この影響で、商品やコレクションの大量生産が、必ずしも好業績につながるとは考えづらく、適当な価格と顧客重視の考え方の中で、在庫は減らされていくのでは無いかと思われる中、我々は、影響を最小限に抑えるため、取引関係先とは臨機応変に対応し、相交性の深いパートナーシップが必要となっていくように思います。

しかし、現在、各企業は、どのように動けば良いのか、非常に困難な状況ではありますが、10年先を見据えて、今まで以上に必要な時に必要な物を必要なだけ作るという国内生産の強みを生かし、前向きに進んで行くことが出来たらと思います。

そのために、組合が多くの情報を収集し、発信出来たらと思っております。

さて、当組合の外国人技能実習生共同受入事業は、本年29周年を迎えます。他団体に先駆けて1992年の2月から事業を実施し、延1万人以上の技能実習生を受入れてきました。

新型コロナウイルス感染症の終息が見えず、非常に厳しい経営環境の中で、どのようにして生き残っていくか、国内縫製業界にとって大変厳しい状況となっており、今後とも関係機関と連携して、支援措置の継続、拡充について、国に要望して行きたいと考えております。

最後になりましたが、良質なたんぱく質で粘膜や免疫細胞をパワーアップして、コロナウイルスに負けない免疫力を付けて、2021年が、今までに無い進化のための年になることを祈念して、年頭の挨拶とさせていただきます。

日本輸出縫製品工業組合

日本輸出縫製品工業協同組合連合会

                                                                理事長 越智 仁司

年頭所感

新年、明けましておめでとうございます。

2018年の新年に当たり、年頭の所感を述べさせていただきます。

本年は1868年の明治維新、明治元年から150年目の年にあたり、NHK大河ドラマに「西郷どん」が放映されます。

明治10年頃の日本の繊維産業の本格的な勃興から現在までの連綿と続くこの産業の歴史を見直す良い機会の年でもあります。

ところで、昨年の日本経済は国内景気の緩やかな回復が継続し、有効求人倍率が高まり、失業率の低下で、受注機会があるにも関わらず、人手不足で受注できない状態が建設業などで現出しております。

しかしながら、昨年12月の日銀短観(全国企業短期経済観測の略)でも、ほとんどの業種でプラスになったDI(Diffusion indexの略)が繊維業だけ大企業、中堅企業、中小企業の規模にかかわらず、現況ならびに先行きのDIがマイナスであるなど、依然として厳しい状況が継続しております。

国内では10月の衆議院選挙の結果、安倍内閣の与党勢力が国民の信任を受けて、さらに長期安定政権の運営が可能となり、緊迫する半島情勢などの外交、防衛政策での果敢な決断だけでなく、経済運営においては益々積極的な多種多様な政策が長期的な視野で実行されることが期待されます。

海外ではアメリカのトランプ大統領が、TPPからの離脱、パリ協定からの離脱宣言などのアメリカファースト政策を志向し、影響が、直接、間接的に我が国の経済運営に今後も影響を与えそうです。

しかしながら、広域FTAはTPPだけでなく、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)日EU-FTA,日中韓FTAもあり、このような流れはもう規定路線であり、アメリカの保護政策志向で止まることはないと予想されます。

さて、当組合として制度発足以来取り組んできた外国人技能実習制度は、昨年11月に新法が施行され、いよいよ、新法により運営が開始されます。

特に監理団体の義務、責任強化が示されており、本組合としても各地区組合と相互連携の強化が必要です。    また、実習実施者に対する法令遵守義務も強化されており、旧法から新法での運営側の意識改革が要求されています。

高齢化社会の進展と少子化による労働人口の減少による対応策として、この制度をどのように活用するかが、地区組合および構成組合員の意思統一が必要に思われます。

昨年も述べましたが、私どもの傘下の組合、組合員各社は国内縫製企業として今日まで幾多の困難な経営環境を乗り越えてこられた方々であり、国内生産基盤の保有維持の為にも水平連携や繊維産業の川上から川下までの企業との垂直連携など、最終消費者への繊維製品の付加価値配分見直しの実行の時期であろうと考えます。

思いを共有する方々と、国、地方行政機関、各地の中小企業支援団体などの協力を得ながら、引き続き方向を探りたいと考えるところであります。

本年も引き続き、旧来にもまして組合各事業へのご協力を賜りますようにお願い申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。

                                                                      日本輸出縫製品工業組合

                                                                      日本輸出縫製品工業協同組合連合会

理 事 長   荒 井  敏 博