年頭所感

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

まず、この度の新型コロナウイルス感染症により、お亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、感染された方々、影響を受けられた皆様には心よりお見舞いを申し上げます。

また、感染拡大防止及び治療に尽力されている医療従事者の皆様に心より敬意と感謝を申し上げます。

今、コロナ禍の影響で、多くの企業が苦境に立たされています。驚かされたのは、1902年創業の老舗企業である「レナウン」の民事再生であろう!上場しているアパレル企業のうち、直近の決算では、赤字に転落している。同様に百貨店業界も苦戦を強いられている。この影響で、商品やコレクションの大量生産が、必ずしも好業績につながるとは考えづらく、適当な価格と顧客重視の考え方の中で、在庫は減らされていくのでは無いかと思われる中、我々は、影響を最小限に抑えるため、取引関係先とは臨機応変に対応し、相交性の深いパートナーシップが必要となっていくように思います。

しかし、現在、各企業は、どのように動けば良いのか、非常に困難な状況ではありますが、10年先を見据えて、今まで以上に必要な時に必要な物を必要なだけ作るという国内生産の強みを生かし、前向きに進んで行くことが出来たらと思います。

そのために、組合が多くの情報を収集し、発信出来たらと思っております。

さて、当組合の外国人技能実習生共同受入事業は、本年29周年を迎えます。他団体に先駆けて1992年の2月から事業を実施し、延1万人以上の技能実習生を受入れてきました。

新型コロナウイルス感染症の終息が見えず、非常に厳しい経営環境の中で、どのようにして生き残っていくか、国内縫製業界にとって大変厳しい状況となっており、今後とも関係機関と連携して、支援措置の継続、拡充について、国に要望して行きたいと考えております。

最後になりましたが、良質なたんぱく質で粘膜や免疫細胞をパワーアップして、コロナウイルスに負けない免疫力を付けて、2021年が、今までに無い進化のための年になることを祈念して、年頭の挨拶とさせていただきます。

日本輸出縫製品工業組合

日本輸出縫製品工業協同組合連合会

                                                                理事長 越智 仁司

第18回輸工組・輸縫連合同ゴルフコンベ開催

輸縫連及び輸工組は、去る5月24日(金)に両組合共催による恒例の合同ゴルフコンペを「池田カンツリー倶楽部」において開催した。

本コンペは、組合員相互の親睦と情報交換を目的として毎年総代会後に開催されているもので、今回は、白山靖典氏(本部理事・徳島)が優勝されました。

なお、第2位には吉田幸一氏(本部副理事長・本部)、第3位には長野敬二氏(本部理事・愛媛理事長)が夫々入賞されました。

第64回輸縫連総会、輸工組総代会開催

輸縫連(日本輸出縫製品工業協同組合連合会)及び輸工組(日本輸出縫製品工業組合)は、去る5月23日、ホテル阪神において第64回総会/総代会を開催した。

輸工組総代会

平成30年度事業報告並びに収支決算案が満場一致で可決承認されるとともに、令和元年度事業計画案並びに収支予算案が同様に可決承認された。

令和元年度事業は、外国人技能実習生共同受入事業をはじめ、原則として前期のものを継続的深耕的に実施するほか、繊維産業の構造変化に対応すべく積極的な企業支援事業の推進を図ることとし、これらの事業予算として、総額5,755万円が承認された。

輸縫連総会

平成30年度事業報告並びに収支決算案が満場一致で可決承認されるとともに、令和元年度事業計画案並びに収支予算案が同様に可決承認された。

令和元年度事業は、外国人技能実習生共同受入事業をはじめ、原則として前期のものを継続的深耕的に実施するほか、新たなビジネス創造を目指した積極的な企業支援事業の推進を図ることとし、これらの事業予算として、総額1,627万2千円が承認された。

[平成30年度主要事業実績]

①外国人技能実習生共同受入事業

本事業は平成2年の入国管理法改正により中小企業団体が受け皿となって研修生受入が可能となったことから、他団体に先駆けて本事業の実施に踏み切り、1992年2月に兵庫地区組合が中国人研修生を初めて受入れ、以来、多くの中国人研修生・技能実習生を受入れ、2012年6月には鳥取地区組合がベトナム人技能実習生を、2014年9月には愛媛地区組合がカンボジア人技能実習生を受入れ、平成31年3月末現在の受入規模は609人で、8地区組合67社が受け入れている。

なお、本事業参加地区組合の理事長及び実習担当理事をメンバーとする技能実習生受入事業幹事会及び事務局会議を定期的に開催し、円滑な技能実習生受入事業の推進を図るための各種施策の検討、情報交流を行うなど、本事業の質的向上を目指した取組みを行った。

②輸出振興事業

本年度は、組合ニーズに事業計画が叶わず、実施が見送られたが、今後とも多くの組合員企業が海外市場進出に取り組まれるよう、本事業の推進に努めていく。

③技能実習適正化推進委員会及び取引適正化推進委員会の設置

平成30年10月25日、技能実習適正化推進委員会及び取引適正化推進委員会を設置した。今後とも、技能実習及び取引の適正化に向けた取組みを推進していく。

[令和元年度主要事業計画]

①外国人技能実習生共同受入事業

②繊維製品品質表示規定の改定に伴う統一表示事業

③海外事情調査研修事業

④各種情報資料の収集と配布

⑤関係団体との連携

⑥政府当局・関係官庁に対する建議と陳情

第2回繊維産業技能実習事業協議会配布資料の掲載について

第2回繊維産業技能実習事業協議会にて配布した資料につきまして、

以下URL(日本繊維産業連盟HP内、経済産業省HP内)にて

掲載いたしましたので、お知らせ致します。

〇日本繊維産業連盟 掲載URL

http://www.jtf-net.com/news/180423Sensanjigyokyogikai%202%20.htm

〇経済産業省 掲載URL

http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/fiber/ginoujisshukyougikai/index.html

 

繊維産業技能実習事業協議会第1回議事要旨公開について

繊維産業技能実習事業協議会の設立と第1回議事要旨につきまして、経済産業省ホームページ内にて公開となりましたので、お知らせ致します

公開ページのURLは以下のとおりとなります。

〇議事要旨URL

http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/fiber/ginoujisshukyougikai/index.html

 

支部の異動

支部 変更事項 変更後 変更前 変更日付
鳥取: 所在地 〒680-0913 〒680-0873 2018.3
鳥取県鳥取市安長80番2 鳥取県鳥取市的場136-1
安泰ニット(株)鳥取工場内 西山ビル2階
電話番号 0857-51-1113 0857-28-3108  2018.4
FAX番号 0857-51-1114 0857-31-0381  2018.4

支部の異動

支部 変更事項 変更後 変更前 変更日付
鳥取: 所在地 〒680-0913 〒680-0873 2018.3
鳥取県鳥取市安長80番2 鳥取県鳥取市的場136-1
安泰ニット(株)鳥取工場内 西山ビル2階
電話番号 0857-51-1113 0857-28-3108  2018.4
FAX番号 0857-51-1114 0857-31-0381  2018.4

年頭所感

新年、明けましておめでとうございます。

2018年の新年に当たり、年頭の所感を述べさせていただきます。

本年は1868年の明治維新、明治元年から150年目の年にあたり、NHK大河ドラマに「西郷どん」が放映されます。

明治10年頃の日本の繊維産業の本格的な勃興から現在までの連綿と続くこの産業の歴史を見直す良い機会の年でもあります。

ところで、昨年の日本経済は国内景気の緩やかな回復が継続し、有効求人倍率が高まり、失業率の低下で、受注機会があるにも関わらず、人手不足で受注できない状態が建設業などで現出しております。

しかしながら、昨年12月の日銀短観(全国企業短期経済観測の略)でも、ほとんどの業種でプラスになったDI(Diffusion indexの略)が繊維業だけ大企業、中堅企業、中小企業の規模にかかわらず、現況ならびに先行きのDIがマイナスであるなど、依然として厳しい状況が継続しております。

国内では10月の衆議院選挙の結果、安倍内閣の与党勢力が国民の信任を受けて、さらに長期安定政権の運営が可能となり、緊迫する半島情勢などの外交、防衛政策での果敢な決断だけでなく、経済運営においては益々積極的な多種多様な政策が長期的な視野で実行されることが期待されます。

海外ではアメリカのトランプ大統領が、TPPからの離脱、パリ協定からの離脱宣言などのアメリカファースト政策を志向し、影響が、直接、間接的に我が国の経済運営に今後も影響を与えそうです。

しかしながら、広域FTAはTPPだけでなく、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)日EU-FTA,日中韓FTAもあり、このような流れはもう規定路線であり、アメリカの保護政策志向で止まることはないと予想されます。

さて、当組合として制度発足以来取り組んできた外国人技能実習制度は、昨年11月に新法が施行され、いよいよ、新法により運営が開始されます。

特に監理団体の義務、責任強化が示されており、本組合としても各地区組合と相互連携の強化が必要です。    また、実習実施者に対する法令遵守義務も強化されており、旧法から新法での運営側の意識改革が要求されています。

高齢化社会の進展と少子化による労働人口の減少による対応策として、この制度をどのように活用するかが、地区組合および構成組合員の意思統一が必要に思われます。

昨年も述べましたが、私どもの傘下の組合、組合員各社は国内縫製企業として今日まで幾多の困難な経営環境を乗り越えてこられた方々であり、国内生産基盤の保有維持の為にも水平連携や繊維産業の川上から川下までの企業との垂直連携など、最終消費者への繊維製品の付加価値配分見直しの実行の時期であろうと考えます。

思いを共有する方々と、国、地方行政機関、各地の中小企業支援団体などの協力を得ながら、引き続き方向を探りたいと考えるところであります。

本年も引き続き、旧来にもまして組合各事業へのご協力を賜りますようにお願い申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。

                                                                      日本輸出縫製品工業組合

                                                                      日本輸出縫製品工業協同組合連合会

理 事 長   荒 井  敏 博

 

支部の異動

支部 変更事項 変更後 変更前 変更日付
徳島: 所在地 〒771-1507 〒770-0038 2017.12.13
徳島県阿波市土成町吉田字原田市の一 66-48

土成ニュータウンA-8号

徳島県徳島市南佐古八番町7-18

 

電話番号 088-679-6305 088-625-2568
FAX番号 088-679-6306 088-625-2560

景気動向調査報告/景況感に悪化の兆候が鮮明に

本年9月に実施した当組合の景気動向に関するアンケート結果を見ると、景況感においては、「比較的好調」と「底が見えた」を合せた数値が、前々回から70.2%、64.8%、57.1%と下落し、「益々悪くなっている」、「底が見えない」を合わせて、前々回の28.6%から29.6%、41.1%と年々増加しており、景況感が徐々に悪化の傾向に推移している。

その判断材料となるべき、収支状況は前回に比べて赤字基調と回答した企業の割合が大幅に増加し、売上高及び利益率については、引続き減少と回答した企業の割合が益々大きくなり、前回の景況感の悪化が兆しから悪化の兆候が鮮明になる結果となった。

<回収状況>

今回のアンケート回収は、97社の送付に対して、回答企業56社、回答率57.7%だった。前回の回答率が63.4%だったのに比べて、5.7ポイント低下している。

平均従業員数は36.8人、平均年齢は44.5歳で、前回は40.0人、42.7歳だったのに比べ、1社あたりの従業員数は減少し、平均年齢は1.8歳年を重ねる結果となった。

図一

図?1は、主要品目類型別企業数を見たものだ。1位は、「ニット・カジュアル」(13社)で、6年連続で1位となっている。2位は、「婦人外衣系」(8社)、3位は「婦人ボトム系」(7社)、だった。

以下は、「ジーンズ」(6社)、「ユニフォーム・ワーキング」(6社)などだった。

前回1から5位に大きな変動は無く、引続き主要品目に変化が無い結果となった。

図二

図?2は、従業員規模別企業数を見たものだ。「20人未満」が32社となっており、引続き回答企業の過半を占めた。それに次いで「20?50人未満」が14社、「50?100人未満」が7社となっており、前回と大きな変化は無かった。

図三

図?3は、平均年齢別企業数を見たものだ。突出して高い比率を占めているのが「40?49歳」の29社で、前回の36社から減少し、「30?39歳」も17社から9社と大幅に減少しており、従業員の平均年齢が上がっている背景となっているといえそうである。

景気概況

〈収支状況・景況感>

図四

図?4は、収支状況を聞いたものだ。図に見るとおり、「黒字基調」12.5%、「収支トントン」41.1%、「赤字基調」35.7%、「無回答」10.7%となっている。図がビジュアルに示すように「収支トントン」のシェアが減少し、「赤字基調」が増加となっており、収支状況は益々悪化の傾向にあるようだ。

図五

図?5は、景況感を聞いたものだ。「比較的好調」(21.4%)、「底が見えた」(35.7%)、「底が見えない」(21.4%)となっている。この中で前回より比率が大きく低下したのが「比較的好調」で、前回のシェアが33.8%から21.4%と12.4ポイント減少し、「益々悪くなっている」と「底が見えない」を合わせた比率が、29.6%から41.1%と11.5ポイント増加しており、収支状況を踏まえると、景況感は悪化の傾向にあるようだ。

<売上高・利益率>

図六

図?6は、売上高を見たものだが、「減少」が前回の33.8%から50.0%と16.2ポイントの大幅な増となっている一方で、「増加」が、22.5%から8.9%と13.6ポイントの減少となるなど、前回に比べて売上高は減少傾向にあることが示される結果となった。

図七

図?7は、売上高の増減率を見たものだ。この中で「増加」の中身は、「10%以上増加」が前回の5.6%から1.8%、1社に留まっている。「1?10%未満増加」は前回の15.5%から3.6%と11.9ポンイトの減少(2社)となっている。

一方、「減少」を見ると、「1?10%未満減少」が前回の8.5%から10.7%なっている中で、「10%以上減少」は前回の18.3%から26.8%に大幅に増加しており、全体として、売上高は減少傾向にあるようだ。

図八

図?8は、利益率を見たものだ。「増加」は前回の16.9%から5.4%に大幅減少し、「減少」が、33.8%から53.5%に大きく増加しており、売上高の減少に併せて利益率も減少傾向にあることが読み取れる結果となった。

図九

図?9は、前項の利益率を増減率で見たものだ。ここでも注目されるのは、「10%以上増加」「1?10%未満の増加」を合わせた「増加」が前回の16.9%から3.6%に大幅に減少する中で、「1?10%未満減少」が、前回の7.0%から19.6%に大きく増加しており、前回の企業利益の二極化から全体的に利益率の悪化が進んでいる状況が読み取れる。

<加工賃>

図十

図?10は、加工賃について聞いたものだ。「同じ」は一貫して大半を占めており、ここ3年間の推移を見ると、前々回67.5%、前回69.0%、今回69.6%となっている。中心であることに変わりはないが、前回に比べ、「増加」が9.9%から16.1%と6.2ポイントの増加となる中で、「減少」も19.7%から12.5%と7.2ポイント減少しており、人件費をはじめとする多くのコストが増大する中で、加工賃に対するアパレルとの交渉の成果が見える一方で、未だ「減少」と値上げを享受出来ない実態もあり、引続き企業の二極化が進んでいる結果となった。

図十一

図?11は、その増減率を見たものだ。「増減なし」が前回の69.0%から69.6%と変化が無い中で、「10%以上減少」「1?10%未満の減少」を合わせた「減少」が前回の15.5%から1.8%と大幅に減少しており、引続き厳しい受注環境であるものの、下げ止まりにある事が読み取れる結果となった。

企業の対応

<主要取引先の変化・生産品目の増減>

図十二

図?12は、主要取引先の変化を聞いたものだ。「変化なし」が圧倒的なシェアを占める中で、今回も前回同様大きな変化は無かった。

図十三

図?13は、取引先の増減を見たものだ。ここでも「同じ」は圧倒的なシェアを占めているものの、「増加」が前々回の15.6%、14.1%、19.6%と引続き拡大傾向にあり、新たな取引先の確保に向けた取組みの成果が伺える。

<生産品目の転換・生産品目の増減>

図十四

図?14は、生産品目の転換を聞いたものだが、「転換」が前々回の6.5%、5.6%、3.6%と若干増加しているものの、「変化なし」が前々回の93.5%から94.4%、91.1%と5年連続で90%を超え、圧倒的なシェアを占めているおり、「転換」に向けた取組みも落ち着いたようだ。

図十五

図?15は、生産品目の増減を聞いたものだ。ここでも「同じ」は圧倒的なシェアを占めている。ただ「増加」が前々回の18.2%、22.5%、17.9%と増加しており、引続き拡大傾向にあることが読み取れる。

<新規設備投資>

図十六

図?16は、新規の設備投資について聞いたものだ。図で見るとおり、「投資なし」が圧倒的ではあるものの、設備投資を実施しているとの前向きの回答が、前々回から23.4%、35.2%、19.6%と継続的に増えており、設備投資への意欲に衰えは無く、今後に期待が持てる結果となった。

<海外生産・輸出>

図十七

図?17は、海外生産について聞いたものだが、海外生産を行っていないという回答が圧倒的であり、前々回の83.1%、88.8%、91.0%と比率は増加しているものの、企業数に大きな変化は無く、横ばい傾向となっている。

図十八

図?18は、輸出の有無について聞いたもので、「なし」は一貫して圧倒的なシェアを占めている。「有り」の企業の推移を見ると、前々回7社、前回5社、今回6社と上下しているものの輸出への取組みに大きな変化は無いようだ。

<おわりに>

今回のアンケート結果は、前回の調査と比較して、収支状況と景況感に悪化の兆候が鮮明となり、生産コストが上昇する中で、売上げの減少、加工賃の引下げ、利益率の低下に苦しんでいる組合員が大幅に増加している状況が示される結果となった。

大手企業の業績が回復し、日経平均株価が21年ぶりの高値を記録し、高層マンションや高額な金融商品等の販売が好調な中で、縫製業界の多くの企業が、その恩恵に浴すること無く、最低賃金の大幅な上昇を工賃に上乗せすることもままならず、厳しい経営に直面している。

当組合では、経済産業省製造産業局生活製品課の指導により、縫製業界における取引ガイドラインの作成に向けて、繊維産業流通構造改革推進協議会及び関係団体との協議を重ねており、この取組みによって、国内の縫製業界が適正な利益を得て将来に希望の持てる産業へと活性化されることを期待したい。

景気動向調査報告/景況感に若干悪化の兆し

本年9月に実施した当組合の景気動向に関するアンケート結果を見ると、景況感においては、「比較的好調」と「底見えた」を合せた数値が、前々回から73.3%、70.2%、64.8%と徐々に下落し、「益々悪くなっている」、「底が見えない」を合わせて、前々回の23.9%から28.6%、29.6%と増加しており、悪化の兆しが見える事が気がかりである。

その判断材料となるべき、収支状況は前回に比べて赤字基調と回答した企業の割合が増加し、売上高及び利益率については、引続き減少と回答した企業の割合が大きく、前回の景況感に大きな変化は無いから若干悪化の兆しが見え、不安を残す結果となった。

<回収状況>

今回のアンケート回収は、111社の送付に対して、回答企業71社、回答率63.4%だった。前回の回答率が63.1%だったのに比べて、若干改善しており、引続きアンケートに応じる姿勢が示されている。

平均従業員数は40.0人、平均年齢は42.7歳だった。前回は37.7人、42.1歳だったので、1社あたりの従業員数は増加し、平均年齢は0.6歳年を重ねる結果となった。

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図?1は、主要品目類型別企業数を見たものだ。1位は、「ニット・カジュアル」(16社)だった。ニット・カジュアルは、5年連続で1位となっている。2位は、「ジーンズ」(11社)、3位は「婦人外衣系」(10社)だった。

以下は、「婦人ボトム系」(8社)、「ユニフォーム・ワーキング」(7社)などだった。

前回1から5位に大きな変動は無く、引続き主要品目に変化が無い結果となった。

%e5%9b%b3-2

図?2は、従業員規模別企業数を見たものだ。「20人未満」が40社となっており、引続き回答企業の過半を占めた。それに次いで「20?50人未満」が16社、「50?100人未満」が9社となっており、前回と大きな変化は無かった。

%e5%9b%b3-3

図?3は、平均年齢別企業数を見たものだ。突出して高い比率を占めているのが「40?49歳」で36社と、前回の43社から大幅に減少し、「50?59歳」が7社から10社に増えており、従業員の平均年齢が上がっている背景となっているといえそうだ。

景気概況

〈収支状況・景況感>

%e5%9b%b3-4

図?4は、収支状況を聞いたものだ。図に見るとおり、「黒字基調」17.8%、「収支トントン」47.9%、「赤字基調」20.6%、「無回答」13.7%となっている。図がビジュアルに示すように「収支トントン」のシェアが減少し、「赤字基調」が増加となっており、収支状況は悪化の兆しにあるようだ。

%e5%9b%b3-5

図?5は、景況感を聞いたものだ。「比較的好調」(33.8%)、「底見えた」(31.0%)、「底見えず」(16.9%)となっている。この中で前回より比率が大きく拡大したのが「比較的好調」で、前回のシェアが23.4%から33.8%と10.4ポイント増となっているものの、「益々悪くなっている」と「底が見えない」を合わせた比率が増加傾向にあり、収支状況を踏まえると、、景況感は若干悪化傾向にあるようだ。

<売上高・利益率>

%e5%9b%b3-6

図?6は、売上高を見たものだが、全体として前回に比べ大きな変化は無いものの、前々回から「同じ」が微増傾向にあり、「減少」が前回の35.1%から33.8%と1.3ポイントの微減となっており、大きな変化は無かった。

%e5%9b%b3-7

図?7は、売上高の増減率を見たものだ。この中で「増加」の中身は、「10%以上増加」が前回の7.8%から5.6%に減少している。「1?10%未満増加」は前回の10.4%から15.5%と5.1ポンイト増加している。

一方、「減少」を見ると、「1?10%未満減少」が前回の5.2%から8.5%に増加し、「10%以上減少」は前回の24.7%から18.3%に大幅に減少しており、全体として、売上高は増加傾向にあるようだ。

%e5%9b%b3-8

図?8は、利益率を見たものだ。「増加」は前回の14.3%から16.9%に増加し、一方、「減少」は、31.2%から33.8%と増加し、浮き沈みはあるものの、売上高の傾向に比して売上げが減少する中で、引続き利益確保に向けた取組みを進めている傾向が読み取れる。

%e5%9b%b3-9

図?9は、前項の利益率を増減率で見たものだ。ここでも注目されるのは、「10%以上増加」「1?10%未満の増加」を合わせた「増加」が前回の10.4%から16.9%に増加する中で、「10%以上減少」「1?10%未満減少」を合わせた「減少」の割合も、前回の23.4%から23.9%に増加しており、引続き企業利益の二極化が進んでいる状況が読み取れる。

<加工賃>

%e5%9b%b3-10

図?10は、加工賃について聞いたものだ。「同じ」は一貫して大半を占めており、ここ3年間の推移を見ると・前々回78.9%、前回67.5%、今回69.0%となっている。中心でることに変わりはないが、前回に比べ、「増加」が16.9%から9.9%と70.ポイントの減少となり、引続き厳しい状況が伺える結果となった。コストが増大する中で、加工賃に対するアパレルの理解も若干広がっているという見方がされていた中で、「減少」が13.0%から19.7%と6.7ポイントの増加と値上げが出来ない実態もあり、企業の二極化が進んでいる結果となった。

%e5%9b%b3-11

図?11は、その増減率を見たものだ。「増減なし」が前回の67.5%から69.0%に若干増加している。特に際立ったことは、「10%以上減少」「1?10%未満の減少」を合わせた「減少」が前回の9.1%から15.5%に増加しており、引続き厳しい受注環境である事が読み取れる結果となった。

企業の対応

<主要取引先の変化・生産品目の増減>

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図?12は、主要取引先の変化を聞いたものだ。「変化なし」が圧倒的なシェアを占める中で、全体としても前回に比べて大きな変化は無かった。

%e5%9b%b3-13

図?13は、取引先の増減を見たものだ。ここでも「同じ」は圧倒的なシェアを占めている。ただ「増加」が前々回の12.7%、15.6%、14.1%と引続き拡大傾向にあり、取引先の固定化に変化が見られるようだ。

<生産品目の転換・生産品目の増減>

%e5%9b%b3-14

図?14は、生産品目の転換を聞いたものだが、「転換」が前々回の1.4%、6.5%、5.6%と増加し、「変化なし」が前々回の94.4%から93.5%、94.4%と4年連続で90%を超え、圧倒的なシェアを占めている中で、「転換」が前回の6.5%から5.6%の微減となっているものの転換は進んでいるようだ。

%e5%9b%b3-15

図?15は、生産品目の増減を聞いたものだ。ここでも「同じ」は圧倒的なシェアを占めている。ただ「増加」が前々回の8.5%、18.2%、22.5%と増加しており、引続き拡大傾向にあることが読み取れる。

<新規設備投資>

%e5%9b%b3-16

図?16は、新規の設備投資について聞いたものだ。図で見るとおり、「いいえ」は圧倒的ではあるものの、設備投資に実施について前向きの回答が増加傾向にあるのも明らかだ。前々回11.3%、前回23.4%あった「はい」という回答が、今回は35.2%まで拡大しており、設備の投資意欲の増加は今後に期待できる心強い結果となった。

<海外生産・輸出>

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図?17は、海外生産について聞いたものだが、海外生産を行っていないという回答が圧倒的であり、前々回の90.1%、83.1%、88.8%と比率は上下しているものの、企業数に大きな変化は無く、これは横ばいと見た方がよさそうだ。

%e5%9b%b3-18

図?18は、輸出の有無について聞いた。「なし」は一貫して圧倒的なシェアを占めている。「有り」の企業の推移を見ると、前々回2社、前回7社、今回5社と上下しているものの輸出が若干増加傾向にあるようだ。

<おわりに>

今回のアンケート結果は、前回の調査と比較して、収支状況と景況感に悪化の兆しが見られ、生産コストが上昇する中で、売上げの減少、加工賃の引下げ、利益率の低下に苦しんでいる組合員が増加する一方で、弛まぬ経営努力により、売上げ、加工賃を増加させている企業もあり、更なる二極化の傾向がみられる結果となった。

さて、「J∞QUALITY」がスタートして2年を経過し、当組合からも9社が登録認証されているが、受注環境に若干の変化は見られるものの業績に大きな変化は無いようだ。

本事業により、国内の縫製業界が活性化され、見直されることを期待したいと思う。

消費増税の「転嫁拒否」を監視する専門調査官「転嫁Gメン」をご活用下さい

「転嫁Gメン」とは平成26年4月から実施された消費税率引き上げに伴い中小・零細企業が取引する際、相手企業から納入代金への消費税転嫁を拒まれたり、消費税分の値引きを求められたりする事態を是正もしくは防止するため、企業の監視強化に向けて、中小企業庁と公正取引委員会が配置した転嫁対策調査官のことです。

この転嫁Gメンは、平成25年10月実施された「消費税転嫁対策特別措置法」に基づき企業に事実関係を報告させたり、立入検査を行ったりする権限を有しています。

また、調査により違反があると判断された場合は、未払いの消費税分の支払いや今後は増税分を支払うこと、また、今後同様の違反が起きないよう社員教育の対応をとること等の指導を行うこととなります。

さらに、悪質な事案については、公正取引委員会が企業名や事実関係を公表して「勧告」することもできます。現在、消費税転嫁に対する相談窓口を開設しておりますので、転嫁拒否等消費税に関するご相談があれば、下記の電話番号にご連絡下さい。

近畿経済産業局 消費税転嫁対策室 TEL:06-6966-6038

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業務日誌(平成28年7月1日?10月31日)

10月27日(木) 荒井理事長は大阪ニットファッション協同組合元理事長、丸松株式会社代表取締役会長外海 達氏旭日雙光章受章祝賀会に出席(リーガロイヤルホテル)
10月25日(火) 九州地区組合第21期カンボジア人技能実習生3名、ベトナム人技能実習生3名、来日(関西空港)
10月21日(金) 荒井理事長、池田専務理事は協同組合関西ファッション連合設立十周年記念式典に出席(ヒルトン大阪)
10月19日(水) 大阪地区組合第16期B?班ベトナム人技能実習生1名、来日(関西空港)
10月14日(金) 広島地区組合第28期A班カンボジア人技能実習生9名、来日(関西空港)
10月6日(木) 大阪地区組合第16期C班ベトナム人技能実習生12名、来日(福岡空港)
9月29日(木) 荒井理事長、池田専務理事は中国駐大阪領事館が主催した中国建国67周年レセプションに出席(ホテルニューオータニ大阪)
9月14日(水) 愛媛地区組合23期カンボジア人技能実習生12名、ベトナム人技能実習生11名、来日(関西空港)
9月7日(水) 大阪地区組合第16期B?班ベトナム人技能実習生5名、来日(関西空港)
8月13日(金) 広島地区組合は第28期B班技能実習生選抜のためカンボジアを訪問(プノンペン)
7月21日(木) 徳島地区組合第25期カンボジア人技能実習生8名、中国人技能実習生8名、来日(関西空港、大阪港)
7月20日(水) 荒井理事長、池田専務理事は日本繊維産業連盟の常任委員会及び経済産業省との懇親会に出席(東海大学校友会館)

役員の異動

2016年5月25日開催の輸工組第61回通常総代会、輸縫連第61回通常総会において、荒井 敏博理事長、吉田 育弘会長、越智 仁司副理事長、池田 延雄専務理事が再任され、新たに吉田 幸一氏が副理事長に選任されました。

なお、桑本 茂樹副理事長は、退任されました。

支部の異動

支 部 変更事項 変更後 変更前 変更日付
徳 島 支部長名 松永 明仁 近藤 安夫 2016.5.28
大 阪 支部長名 吉田 幸一 桑本 茂樹 2016.5.24
愛 媛 支部長名 長野 敬二 越智 仁司 2016.5.20